本記事は、6月25日にディマシュが出演した中国の番組〖经典咏流传〗の、おもに会話部分の日本語の書き起こしです。 →English translation
[经典咏流传第三季]迪玛希为你唱经典《送韦城李少府》| CCTV
歌のみはこちら ↓
[经典咏流传第三季 纯享版]《万里梦同心》 演唱:迪玛希| CCTV
康震;北京師範大学 文学教授:古代詩の専門家 Season 1から出演。
廖昌永:中国のバリトン声楽家、上海音楽院の学長
*Dimashが2018年Season 1の決勝の審査員で参加した〖声入人心 / Super Vocal〗(湖南衛星テレビ放送)のプロデューサーでもある。Season 2から出演。
朱丹:司会者、女優。Season 2から出演
撒贝宁:名作の伝承者 Dimash を拍手で迎えましょう!
D:「相知无远近 万里尚为邻:知己の友とは何処も分けず 万里の彼方も隣人の如し」
私が歌に変えたこの詩を歌います。
私の歌を通して中国とカザフスタンの文化友好の懸け橋になることを願っています。
撒贝宁:ニイハオ、Dimash
Dimashはカザフスタンからやって来たんだけれども、中国の伝統文化とカザフスタンの文化はいろんなところで似ていると聞いているけど、先生は知っていますか?
康震:こういうことなんですよ。シルクロードで言うと、それは長安から出発して西へ向かいます。“河西廊下”と呼ばれる道を伝って、陝西省、甘粛省、青海省そしてウイグルを通ります。ウイグルの博楽市アラ山の対岸にあるのが“シルクロード”
西に向かって出国したら最初の友好隣国がカザフスタンなんですよ。
撒贝宁:Dimashは以前に中国の伝統的な古詩に触れたことはある?
D:(「論語」孔子)有朋友自遠方来 不亦楽乎
“朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや”
撒贝宁:聞いたところによると、Dimashは早口言葉もできるらしいね。
朱丹:ホント?
撒贝宁:しかも西域の風情に関係しているんだって。何だと思う?
D:吃葡萄不吐葡萄皮 不吃葡萄倒吐葡萄皮
Chī pútáo bù tǔ pútáo pí bù chī pútáo dào tǔ pútáo pí
(ブドウを食べても皮は出さない ブドウを食べなかったら皮を出す)
私にとって中国語はとても難しいです。
何度も繰り返して教えてもらいましたが、なぜだか知らず知らずに覚えました。
撒贝宁:じゃぁ、今日の伝唱は、中国語的に難しかったんじゃないかな。
どの古詩を選んでくれたのかな?
D:今日私が選んだ作品は、唐朝の詩人、張九齢の友を送るという作品です。
頑張ってこの歌を歌います。
私は何処にいてもチャンスがあれば自分が歌う時にはできるだけドンブラを入れたいと思っています。
今日のこの歌にもドンブラの伴奏を入れました。
撒贝宁:Dimashもさっき言ったけど、この歌は唐朝の詩人張九齢の友を送る詩です。
では、Dimashに歌ってもらいましょう
D:私は名作の伝唱者、Dimashです。
【万里夢同心】を皆さんに歌って聴かせましょう。
作詞:張九齢(唐朝)
作曲:徐楽同
ドンブラ:アリーナ
名残を惜しみ 折り足りない渭城の柳
果てなく望む 山嶺の雲
聴き尽くせない 啼き続ける杜鹃(ホトトギス)
終わりなく(別宴の)相思の琴を奏でる
友と別酒 青門の路(東)につく
友の馬車は渡し場(白馬津)に帰る
相知に 遠近なく
万里 なお 隣と為す
朱丹:Dimashに拍手を送りましょう!
Dimash 君が歌い出したら私達3人はすごく驚いたと同時に嬉しかったわよ。
だって君が中国語で歌ったから。
D:皆さんの前で歌うので、最高の効果が出るようにしなければならないと思いましたので、発音にはそれなりの練習を重ねました。
効果に関しては先生方と聴衆の皆様の評価を聞かせてください。
朱丹:みなさんどうだった?
会場:良かった!
D:ありがとうございます。
廖昌永:さっき伴奏で使われていた楽器は、会場のみんなも良く知っている楽器だよね。カザフスタンだけじゃなく、中国のウイグルにもあるからね。
カザフスタンではみんなドンブラを弾けるんじゃないの?
どこの家庭にもあるんじゃないかな?
朱丹:そうなの?
D:ドンブラはどこカザフスタンの家庭にもあるもので、みんなの心の中で一番重要な楽器です。
廖昌永:そうだね。2018年からカザフスタンでは“ドンブラの日”というのを設置したんだよ。
朱丹:この【万里夢同心】、自分で何を歌ったかわかってる?
D:ここで歌っているのは、2人(友人)はどんなに離れていても友情は長久でお互いの心は通じ合っているというもの。
この場をお借りして、私がこの歌を準備する時に、内容を理解できるようにと多大な協力をして下さったチーム、翻訳してくれた方々に感謝したいです。
康震:では、君にもう一度細かい説明をしようね。
歌を歌う時に、詩の内容を深く理解することは、歌の高度(質)を上げることになると思うからね。
この詩は張九齢が友を送る詩。
2人はとても親しい友。
彼が去るときは勿論寂しい。
でも、最後のところで“お互いを理解し合っていれば遠くに離れていても隣人のように感じることが出来る”と言っている。
中国の古代には曹植という詩人(三国志の魏王の曹操の4番目の息子)がいて、“男の心は広くあるべき 万里の距離も眼には隣ほどに近くに見える” “志のある男はそれを大きく持つべき”と歌っている
どこに行こうとも、志のある男の間には距離など関係なく近しいものである
これはまさに君がカザフスタンから中国にはるばるやって来て、カザフ民謡や中国の歌を歌っているのと同じだよ。
君は曹植の詩の中の男だよ。
君の志はカザフスタンから始まったけれど、君は中国に目を向け、ひいては全世界に目を向けている。
これこそが私達が今日この〖经典咏流传 / 古代名詩を歌い継ぐ / Everlasting Classics〗の舞台に立っている意義なんだね。
朱丹:これからも君が中国で活躍することを期待しているわ。ますます中国語が上手くなることを信じているからね。
D:有難うございます。
私は名作の伝唱者、Dimashです。
もしこの曲が気に入ってもらえたら、QRコードをスキャンしてね。
一緒に名作を伝唱しましょう!
当ブログ内関連記事↓ dimashkudaibergenjapan.com