8月22日にカザフスタンのKhabar TVで放映された"Dimash Show. Окружение【環境(Dimashを取り巻く人々)】"(ドキュメンタリー番組。約41分)
本記事は、その「日本語書き起こしPart 1」です。
↓ 全編OFFICIAL動画はこちら。約41分
Спецпроект. Документальный фильм «Dimash Show. Окружение»
◆以下前編書き起こし(長文)
「私達はDimash Kudaibergenのファンなわけではないんです。」
「…だから僕は彼を止めて言ったんだよ。【君は何をしようとしているのか分かってるのか】って。」
「彼はそれでも持って、【僕は男だよね?】って言っているみたいにね…。」
「まだお互いにそんなに知らない時は全然恥ずかしげもなく質問したりして、なんか頭悪い感じの質問とかね…。今はもうバックステージでビデオを回すことはなくなった」
「彼は普通の、シンプルな人だと思っていたわ。」
(ナレーション)
銀は普通の金属のようだが、そうではない。
高貴な物であり最も輝くものだ。
扱いやすい為、技術者に非常に好まれる。
それはジュエリーや世界の文化に最も注目されている素材のひとつなのだ。
守られ、大事に、大切にされる。
しかし、他の宝石と違って、銀だけは、習慣的に、
他人ではなく密接な関係にある人だけに贈られる。
<Dimash Show>
銀は一般的に塊で見つかる。
その為、鉱石を溶かして製錬する必要はない。
「彼」も、やはり元からの(銀)塊、天性の才人なのだ。
Clara Kajygalieva:Kudaibergen Dinmukhammed Kanatulyの成績は全て“5”です。
(ナレーション)
Clara KajygalievaはDinmukhamed Kudaibergenov(Dimash)の最初の先生だ。彼女はDimashの最初の頃のクリエイティブな才能を覚えていた。
そしてその思い出を新たな生徒にも語っているのだ。
「彼は学校に上がった時には既に字を読むことが出来ていた」と語る。
Clara先生:小学校での主な授業はカザフ語“Ana tili”でした。私達はよく表現力を鍛える本読みを行っていました。でも彼は詩を朗読することは好まず、それを歌にしていましたね。
教師が彼についてのコメントをする時はみな微笑んでいましたよ。
彼はいつも輝いていました。そんな子を叱る事なんてできませんよね。
彼はいつでも普通とは違っていて、とてもクリエイティブでしたよ。
(ナレーション)
この学校(第32番学校)は、Dimashのファンの【2019年“ARNAU”コンサート前の旅行ツアー】のコースにもなっていた。
ファンは「自分たちのアイドルがたどった道が始まった場所を見てみたい」と、やって来る。
これがDimashと友達が演じた最初の公演だ。
彼はそこで独唱こそが彼の本筋だと気づいたのだ。
Serik(Dimashのクラスメート):僕たちの多くはドンブラの弾き方を習おうとするんだけど、Dimashが一番でしたね。
僕達はオーケストラとしてパフォーマンスをしたんです。そして彼は歌い出すんですが、聴衆はみんな喜んでいましたよ。
彼は常に自分自身を向上させ、新しい曲を覚えていきました。
Aibal(Dimashのクラスメート):学校のイベントには全てコンサートや祝賀とかに関わらず、Dimashなしでは進みませんでした。
彼のお陰だと言う人もいましたよ。彼はどのイベントにも参加しました。親切で、優しくて心が広いんです。
Nursultan(Dimashのクラスメート):僕達には“Murager”というドンブラのクラスがありました。Rosa先生のクラスです。
その時に僕たちは「Dimashがどの生徒よりも芸術に近い存在だ」って思いましたね。
楽譜を読むのは彼にとっては簡単だったんです。
彼はすぐにメロディがわかるんです。
(ナレーション)
Rosa先生はDimashにカザフ文学を長年教えていた先生だ。
彼女は子供たちに読むことへの意欲を掻き立てるだけではなく、読んだものから「生きていくうえでの知恵を学ぶこと」も教えようとした。
彼女は「寛大な心が、人が与えられる主なものだということ」を教えたのだ。
Rosa先生:学食で生徒全員と長い休憩を取っている時には、小さい子も含めていつもDimashの周りを囲んでいました。
ある時彼が教室に戻って来て、ため息をつきながら「また自分の物は何も買えなかった」って言っていました。
彼のお母さんは昼食用に1,000テンゲを彼にあげていたんですが、彼はそのお金を全部クラスの子達の食事に使っていたんです。
そして、しょっちゅう自分の分までお金が残らなかったようなんです。どこまで親切なんでしょう。
でも、彼が施した子達の感謝と祝福があるんです。それが彼を人間的に引き上げたのだと思います。
(ナレーション)
Dimashは“思考”という別のタイプの“食物”にもっと興味があったのだ。
彼が5年生のある日、不眠で目を赤くした彼がやって来た。
どうしてよく眠れなかったのかと先生が聞いたら、「今度、大草原の天才の本を『新しい読み方』で聴衆に聞いてもらいたくて、その準備を一晩中していたの」と答えた。
このようにして彼は“Abai 朗読イベント”で、みんなを驚かせたのだった。
↓ ブログ内参考記事
dimashjapanfanclubofficial.hatenablog.com大学の学生となっても、Dimashは心のリフレッシュをするべく、母校にしばしば戻る。
Rosa先生:彼は既に音楽大学の2年生になっていたと思うのですが、あれは寒かったので冬だったと記憶しています。
彼が「私の授業を聴講したい」と言いました。「何があったの?」と聞きました。
すると彼は「AbaiとMukhtar Auezovの作品を聞きたいんです」と答えたんです。
そして彼は3時間も私についてクラスを回り、カザフ語とカザフ文学の授業を聴いたんです。後に、「精神を高めて豊かになっていくのを感じたかった」と彼は言っていました。
(ナレーション)
彼はいつでも自分の能力に自信を持っていた。
彼は「自分が何になりたいか」、「それには何が必要か」がはっきりわかっていたのだ。
ベラ (ピアノ教師):最初の授業はお互いを知ろうとするものだから、音楽家として、将来のミュージシャンの子供達に、「どんなふうになりたいか」を聞くんですけど、プライベートで話した時に彼は「マイケルジャクソンみたいになりたい」と言いましたね。
面白いと思いましたね。ちょっと滑稽とも…。
それで、後に彼が世界でも有名になったと聞いた時、初めは信じられませんでした。
私はずっと彼は普通のシンプルな子だと思っていたので…。
「彼には素晴らしい未来がある」とは思っていましたけど、ここまでとは思ってもみませんでした。
でも今では彼のファンの一人ですよ。
彼の歌を聴くのが大好きです。感動します。
全てがとても懐かしくてよく涙します。
彼の指、仕草、動き、表情、目が懐かしいわ。
"あんなにいつも、こんなに近くで見ていた時があった"って。
Erlan(アレンジャー:編曲):あの頃はDimashは10歳だった。彼は「いつか世界の舞台で歌うんだ」って言っていました。
僕は心の中で「ヘイ、ちびっ子、普通の夢を見ろよ」って思ってたね。
ティーンエージャーのハッタリだと思っていたけど、Dimashはやった(成功した)ね。
大勢の人々が自分の歌を歌ってくれることは、アーティスト、カザフ人にとっては夢なんだ。
それがどれだけ気分がいいかは言葉にできないよ。
(ナレーション)
有名になる事は、マイナス要素をももたらす。
Dimashはアンチの人々の攻撃にとても繊細だ。
Nursultan(友人・ドラマー):アクトべ市の記念日で、“Bakytty Bala” という歌の大会の受賞式に彼が出席して、グランプリの授与をしたんだけど、「自分の地元なのに彼は一曲も歌わなかった」ということで、みんな怒ってかなり批判したんだ。
彼はかなり傷ついたよ。
彼は2~3曲だけ歌って帰っちゃうってことをしたくなかったのに、みんなは理解してくれなかったんだ。
彼は自国民には大きなソロコンサートを見せたかったんだよ。
(ナレーション)
全てが彼にとっては簡単(順調)だ、と見える…。
学校においても。
彼はすぐに人道学や新しいスポーツをマスターした。
Nursultan(クラスメート):彼はサッカーとテコンドーをやります。武術は1年くらいやりましたね。
ある時Dimashは体育の授業でハイキックを見せてくれました。みんなびっくりしましたよ。
長いこと練習していなかったと思ったんですけど、上達していたんです。
これは"彼がクリエイティブなだけでなく、スポーツもこなせる人間だ"っていう証明ですよね。
(ナレーション)
銀には多くの特徴があり、洗浄や消毒もできると言われている。
古代トゥルク人は、この金属は悪魔の眼から守るものだと信じていた。
そいういう事から、結婚式の儀式Shashu(シャシュ―)の際には、 銀貨が、お菓子などに加えられた。*1
そして親族は、新婚夫婦にそれを振りかけることで、この若い家族を様々な困難から守ってくれると信じていたのだ。
Meyrambek(クラスメート):僕はクラスの中で一番最初に結婚しました。2018年6月30日です。
夜11時の式の最中にDimashがレストランに入って来たんです。
最初は何も分からなかったんですけど、友人たちのテーブルが賑やかになっているのを見て…みんなは僕を驚かせようとしたんですね。
僕はDimashも招待しようと思ったのですが、(来てくれる)時間なんかないと思っていたので…。予想外でした。
でも友達が首都からわざわざ来てくれて、僕たちの喜びを分かち合ってくれて、本当に嬉しかったです。
(ナレーション)
友人たちはDimashが一緒でない時でも、よくMeyrambekの結婚式のことを話題にする。
Dimash(電話):そっちで僕のことをあんまり悪く言わないでよね。(笑)
Aibal:そうしようと思ってたところなんだけど…褒めた方がいいかな、けなした方がいいかな?
(ナレーション)
彼らは子供の頃を思い出し、また新たな計画を立てる…彼の友人の一人…Nursultan(ヌルスルタン)の結婚について。
Serik:花嫁はお前が来ないと結婚しないって言ってるぞ。
D:多分彼女は僕と結婚したいんじゃない?
Meyrambek:お前の花嫁も探してやるから、来いよ。
(ナレーション)
Dimashにとって結婚式のゲストで呼ばれることは容易ではない。
彼がすぐに新婚夫婦の親戚たちに囲まれ、「結婚パーティー」が「終わりなき撮影会」となってしまうからだ。
Rasul Usmanovが結婚した時もそうだ。
Dimash チームでバックコーラスを担当している彼。
Dimashは彼の結婚式には必ず来て自分の同僚の為に祝福する、と約束した。
Rasul:丁度1年前に結婚しました。
僕達が友達と出かけた時や会った時には、彼はよく「君の結婚式には絶対ドンブラを弾いて歌ってお祝いするからね」って言っていたんです。
だから僕は「うん、うん、そうだね」って。
半年経って、丁度結婚式の準備をしていた時に、彼に早めに知らせておいたんです。
準備は全て上手くいっていました。
そして結婚式の1ヶ月前に、中国の大きな会社が結婚式と全く同じ日にコンサートをDimashのスケジュールに入れてしまったんです。
それで彼から「(結婚式には)行けなくなった」と連絡がありました。
そうなっちゃったんだから、何も言えませんよ。(事情は)わかりますし。
彼は「どうしたらいいかな?」と言って…
カザフスタンには“KYZ Uzatu”という習慣があって、結婚の別祝いを新婦の自宅でやるので「そうだ、僕がそこに行けばいいんじゃない? それだったら君の結婚式に参加したことになるね」って言ったんです。
(ナレーション)
カザフの風習では結婚式は2度行われる。
最初はKYZ Uzatu…花嫁を結婚生活に送り出す…。
そして正式な結婚式…これは新郎サイドが主催。
新たなプランとして、DimashはRassulの新婦のKYZ Uzatuに参加することになった。
このイベントはディマシュが来る1分前まで全く知らなかった親族達にとっても特別なものになった。
ラッスル自身、もしもディマシュがこのファミリーのお祝いに来れなくても全く責めるつもりはなかった。
彼ほどの有名人は、「スターだ」ということで(結婚式に出席できないという)言い訳もできるのだが、Dimashは約束を守ることを常に信条としている。
Rasul:家にいると、彼が電話してきて「入ってもいい?」って言うんです。僕は「いや、僕が行くから」と言って出て行ったら車があって、そこにはDimashとAisultanが乗っていて、他の奴らもその車の周りにいて…。
彼が降りてきて、家に向かって歩いている時、僕は彼を引き留めて「何をしようとしているのか分かってるの」って聞いたら「うん、今日はみんなと写真を撮るんだよ」って。
それで家に入って…
みんなすごかったんですよ!(笑)
みなさんも見れたらよかったですよね!
あれはすごくいい時間でした。
彼は約束通り、歌って、ドンブラを弾いて、その場を素晴らしいものにしてくれました。
宴の間中ずっとそこにいてくれましたよ。
この投稿をInstagramで見る
(ナレーション)
銀は酸化しない貴金属として大切にされる。
これが、銀がエナメルや様々な宝石と言った他の素材と上手く融合できる理由だ。
銀こそが、はめ込んだ全てのものを光輝かせるものなのだ。
彼の素晴らしいところはその感染的拡大性だ。
彼をよく知る者は、それが彼なのだと知っている。カザフスタンからやって来た彼を知ったばかりの者達は、本当に驚くのである。
そういう人物の一人にCrazy Maksがいる。
Dimashのバックステージをよくアップしている人気ブロガーだ。
そして彼はただのプロブロガーではなくなり、ロシアでのクリエイティブチームのツアーマネージャーも担当することになった。
Maxim Pokidovに登場してもらおう。
Crazy Maks:俺たちは暫くの間、「ディマシュが俺のことをどう呼ぶか」って言うことでちょい揉めたって言うか...
分かる? 丁寧に「貴方」か、もっと砕けて「君」でいいのか。*2
俺は彼の2倍近い歳なんだけど、自分では42歳って感じじゃないし…みんなも俺のことを同じ感じで話してくるし…。
Erlanと同じなんだよね。
俺たちは時々車の中で話しをした時のことを話題にするんだ。
俺がいっつもErlanに変な質問ばっかりしてたんだよね。
「お前の国の冬ってどんな気候なんだ?」「そこのどこが好きなんだ?」とかね。
1ヶ月もしたら関係も変わって(仲良くなって)冗談も言い合ったり…かしこまって上品にしてたなって。
Dimashとも同じだよ。
すぐに彼に、「俺には砕けた感じでいいよ」って言ったんだ。
俺そんなの(かしこまった感じ)慣れてないんだよ…なんで“Maxおじさん”って呼ぶんだよ?そんなのないぜ…ってな。
(ナレーション)
この男はDimashについてなんでも知っているようだ。
Crazy Maks:みんなDimashが何が好きかって知ってるよ。
ステーキ、フライドポテトにコカ・コーラ。そういうことさ。
khizri(ロシアの彼の担当)は彼が好きな物を覚えているんだ。
彼らはモスクワのどこのレストランに行っても「ヒンカリ(グルジア式餃子)は要る?」って聞くんだ。そう、彼がヒンカリが好きなんでね。
(ナレーション)
しかし、これはパラドックスだ。
お互いを知れば知る程、Crazy MaksがDimashのビデオをブログにのせるのは、より困難になる。
Crazy Maks:お互いをあんまりよく知らない間は彼を撮るのは平気だったんだけど…。
あんまり考えてなかったからだと思うし…。
自分で思いついたこととか時には講読者(ブログ読者)に(質問したいことを)聞いてみたり。
でももっと彼と仲良くなったら、あんまりカメラを向けたくなくなったんだ。
そんな質問で彼の気持ちに割り入っていくのは違う気がしてきたんだ。
もう今は、バックステージの様子を撮ることは辞めてるんだよね。
彼はそういうの好きじゃないって分かったし…。
最初の頃はそういうのをいっぱい撮っていたんだけど。
だから今は変えたんだよね。
彼をあまり撮らないようにね。
(ナレーション)
Crazy Maksは他の何百万という人々と同様に彼の性格に魅かれている。
その真面目さと気高さを目の当たりにすると、Dimashとの友情を幸運だと思うのだ。
Crazy Maks:どこの町だったか覚えていないんだけど、俺たちは控室だか他の部屋だったかに早めに入って、俺が彼の着ているジャケットを見て「いいジャケットを着てるな」って言ったら、彼がこっちを見て「気に入ったの?」って言うから「うん」って答えたら、全く躊躇せずに「じゃ、あげるよ」って…。
「あげるよって何それ? 2月だぜ、どうやって外に出るんだ?」って言ったら「いいんだよ」って答えるから「いやいや、そりゃダメだぜ」って断ったんだけどね。
ジャケットはさすがに受け取れないだろう。
第一あれ、ちょっと小さかったし…今年(自分が)随分痩せたとは言え、ね…。
ま、これが彼なんだよね。
トルコから帰って来てから、被っていた帽子を脱いで「これプレゼント」って言って、くれたんだ。
Aisultan(クラスメート):みんな彼のことをDimash Kudaibergenって呼ぶけど、僕にとってはDikoなんです。
友達です。良い所がいっぱいあります。
彼は人間味があるし、落ち着いています(温かい)。
例えば、多くのスターは人気が出たら、高級車を買ったりそんなことをするんですけど、Dimashはどんな車に乗っているかとかは気にしないんです。
古い車を持っている友人がいるんですが、Dimashはその助手席に座って待っているんです。
みんな驚いていましたよ。"座っているのが本当に彼なのか"って。
彼は僕たちの模範なんです。
彼はシャワルマ(串焼き肉)とかサムサ(肉や野菜を詰めたパン)でも食べるんですよ。
Krala(小学校の先生):小さい頃からDimashはとても思慮深い子でしたよ。
彼の夢を実現する為に一生懸命勉強しました。
その努力は全部実っていると思いますよ。
彼は見聞を広め、一生懸命に学んで…例えば彼は7~8言語を話します。
そういうことが出来るようになるには相当な努力が要ります。
彼の言語の知識は、外国語の歌を高いレベルで歌う時や、聴衆と同じ言語で話すのに役に立ちます。
これは世界クラスのスターになるのには大事なことですよね。