8月29日にカザフスタンのKhabar TVで放映された"Dimash Show.
Вдохновение【インスピレーション】"(ドキュメンタリー番組。約44分)
本記事は、その「日本語書き起こしPart 1」です。
↓ 全編OFFICIAL動画はこちら。約44分
“DIMASH SHOW. ВДОХНОВЕНИЕ” Документальный фильм - YouTube
◆以下前編書き起こし(長文)
「私にとって契約書にサインをするのは簡単な事でしたよ。それで?」
「私達がちょっとした口論をした時の話…2日ほど口をききませんでしたね。」
「私は30年も芸能界で仕事をしてきた。30年、このようなことは見たことがない。」
「私は彼のステージでの変身ぶりに衝撃を受けました。」
「俺はDimashという作品のファンなんだよ。Dimashという惑星のファンなんだ。」
「彼にはまだ実現していない夢があるんだ。」
(ナレーション)
ある人は、「彼は夢見る人(Dreamer)だ」と言う。
彼は自分を野心家だと思っている。
何がDimash Kudaibergenを実際に動かしているのか?
名声の為か?
それともインスピレーションへの道のりにすぎないのか?
或いはこれこそが、彼の飛んでいくその軌跡なのか…インスピレーションへと。
<Dimash Show>
(ナレーション)
Dimashの歌を一度でも聴いた者は、皆ほぼ一瞬で彼の声や才能のファンになる。
しかしその最たるものは、彼の音楽への欲望、彼の周りにあるものすべてをエネルギッシュに満たしていく可能性のファンとなるのだ。
Maestro Igor Krutoy:う~ん、彼との仕事はやり易いよね。
彼は音楽を吸って、音楽の中で生きている…音楽は彼にとって栄養なんだ。
仕事でない時でも、いつも彼は何かのメロディーを口ずさんでいるし、考えている。
彼は本物の才能を持った人間だよ。
(ナレーション)
これは、Dimashの2019年カザフスタンの首都での最初の世界的なショー〖ARNAU: Kinetic Voice〗だ。
Maestro Igor Krutoy:みなさんが私の仕事を愛してくれる限り、この若い素晴らしい歌手の為に曲を書き続けることをお約束しますよ。Dimash Kudaibergen!
Dimash:有難うございます!Maestro Igor Krutoy!
(ナレーション)
アスタナアリーナ。3万席。完売。満杯の客は、皆この2時間興奮に包まれた…。
主催者を除いては…。
DimashとDearsが彼のキャリアに新しい時代を体験中に、ステージの裏でDinara Adamは息もできないほど緊張していた。
彼女はショーをみていない。
彼女は既にこの巨大なメカニズムのスイッチを始動させた。
そして今、ストレスの中で、全てがうまくいくように祈っている。
彼女には緊張する十分な理由があるのだ。
このトランポリンのジャンプ(への心配)で、彼女の髪は真白になってしまった。
Dinara:トランポリンのパートがあったのを覚えていますか?
このKaz Media Center(Kazメディアセンター)がリハーサル拠点だったんです。
私達はトランポリンを用意して、彼がいつもジャンプの練習をしていたんです。
彼が跳ぶたびに私の心は(心配で)沈んでいきましたよ。ああぁ…。
でも「跳ぶのはやめて!」なんてアーティストには言えませんよね。
だから「彼が跳んでいるのを見たら彼を止めてね」って人に頼んでいたんですよ。
すごく大変でしたよ。
それが彼という人間の一面だっていうことはわかっていたし。
彼は完璧主義者、何もかも、最大限に努力してやろうとする。
そしてどのパフォーマンスに対しても観衆へ誠意を込める。
でも、私にとっては本っ当に、ストレスだったんです。控えめに言ってね。(笑)
(ナレーション)
Dinaraは彼がトランポリンで飛ぶことは認めた、が、コンサートのオープニングでの奈落落ちだけはしないように必死にDimashを説得した。
口論にすらなった。
しかしこの歌手は自分のアイデアに固執し、そしてそれを勝ち取ったのである。
Dinara:一度私達は激しい口論をしました。そして丸2日口もききませんでしたね。
最初は…そうね、先ずプロジェクトを立てて、人を雇ったりしないといけませんよね?
だから彼には「うん、飛びたいのね。ロケットがいる? ロケットを用意して宇宙にでも飛ばしてあげるわよ。何でも好きなように」って。
でも、現実はこうだったのよ!「コンサートのオープニングのイントロで、ステージを通り抜けて下(奈落)へ落ちたい」って…。
Dimashがステージから落ちる時にはAdam Mediaのスタッフ全員がその恐ろしさで震えていましたよ。
彼がスタジアムを飛び回っていた時(SOSの時)は、そこまで怖くはなかったでんす。
だってあれは、まだ彼がやった仕掛け(奈落落ち)より少しは安全だったから。
あのステージにどれだけ命を落としたことか…。
Dimashに教わったことは、彼は最初から最後までとても徹底しているということですね。彼は何事にも常にベストを尽くします。とにかく一生懸命にやろうとします。
それは彼の完璧主義ですね。
彼よりも長く生きている者として、わたしは、それが人の性格として必ずしも最良だとは限らないっ ていいます。
そういう風に生きていくのは素晴らしいことだとは思います。
彼はそういう風なんです。
彼はそれができるんです。
(ナレーション)
彼の人間関係は、彼自身の性格と同じくらいに誠実なものだ。
Aleksandr Revva(アレクサンダー/ロシアの歌手)は最初にインターネットでDimashの声を聞いた時、「人間が出せる音域ではないので、コンピューターで加工したものだと思った」と言っている。
しかし、彼の歌をライブで聞いた時、それが可能なんだと信じざるを得なかった。
Aleksandr:彼は見た目は人間だけど、絶対にこの惑星の人間ではないよね。
みんなが「この素晴らしい彼を近くで見たい、聞きたい、触れたい」と思うのは自然だよね。
ぼくは、それは受け入れなきゃ、と思う。
唯一無二の特別な人はいるものだからね。例えばマイケルジャクソンやビートルズ、クイーンとかね。
僕が言いたいのは、「人生のそれぞれのある時期ごとに伝説となる人物が現れる」ってことさ。
そしてみんながそれに狂っちゃうんだ。そういう狂信的な感覚って、この世界から外れてる。それは、幻覚みたいな非現実なんだ。
そんなに誰かにクレイジーになれることなんかないよな!
ただもう、頭が変になっちゃうか、失神しちゃうんだ。
こういうファンは特別な人達でもある。
並外れた特別なファンだよ。
僕は神と両親に感謝するよ。彼らファンたちの声、目、そのほかもろもろの面から、人の直情・純真さを感じる能力が僕にあることにね。
僕がひとを見誤ったことは、たぶんほんの数回しかないが、そこから学んだよ。
彼を知って、確実に言えるのは、彼はすごく謙虚で非凡な人間だということさ。
(ナレーション)
Dimash KudaibergenとAleksandr Revvaの間の友情はひどく奇異に見えた。
歌のジャンルは全く違い、何も共通点はなさそうだった。
しかし、アーティスト同士はそんなことは気にもしない。
ロシアのショーマンRevaは「特別のエネルギーさ」と語る。
Aleksandr Revva:僕は彼のファンだと言えるね。 狂信的(熱狂的)っていうのは、いろんな意味に解釈できる。
僕は彼のファンだよ。この言葉が好きだね。僕はDimashの仕事のファンさ。僕はDimashという惑星のファンだ。
最初に会った時、共通のエネルギーが流れていたんだ、一瞬でお互いを理解できたね。
ずっと前から知り合いだったみたいにね。すぐに友達になれたよ。
彼は「僕のファンだ」と言ってくれたよ。
僕は「彼のファンだ」って言ったんだ。で、あの謙虚さだろ…彼がどんな人間かすぐに分かったさ。
D:(女性に向かって)僕は彼(Aleksandr)のファンなんです。
Aleksandr:いや、僕が彼のファンなんだよ。
男性:君達はコラボした方がいいよ。すぐにでも。
Aleksandr:そうね、もしかしたら。(そういうこともあるかも)
(ナレーション)
Dimash Kudaibergenの現象の定義は
Khizri Baitaziev(ヒズリ)によって作られた。
ヒズリ独自のスタイル:最少の言葉、最大の効果で。
彼はプロデューサーというよりはプロモーターであると自認している。
Khizriは一般人からスターを創るのではなく、数いるスターから(本物のスターを)発掘する。
それはまるでガラスからダイアモンドを選別するかのように。
Khizriは彼らを育て、更に新しいレベルへと引き上げるのだ。
彼は主にロシアで30年以上も様々なショーや大スターたちのコンサートを創ってきた。
Khizri:Dimashは…比べて悪いんだけど…ソ連では何が一番かな…?
バレエ、ボリショイ劇場、サーカスとかいろいろ。
で、全ては何かが欠けているんだ。
Dimashは、この世界で求めても足りなかった「全てを持っているもの」SCARSITYみたいなものなんだ。
(ナレーション)
なるべくしてなる、それが当然のように。
人々は、始めはDimashの声に魅了される。
彼らはDimashという光に引き寄せられる。
そして彼らがその光に辿り着いた時、そのエネルギーのみなもとが、もっと深いことに気づくのである。
それは彼の魂だ。
Nina Bugaichenko(詩人、Dears)はDimashについての詩集の著者である。
Nina:家の事情があって、彼のことは全く知りませんでした。
あの当時の私はこの世界や人々には全く関心がありませんでした。
私の世界は家族だけ。一番大切な人、私の分身を失った時でした。クラッシック音楽と本が私の小さな世界でした。
そんな時、Dimashの歌と声を聴いたんです。
歌を聴き終わった時、自分が呼吸をしていなかったことに気づきました。
次の朝にはDimashについての可能な限りの情報を得ていましたね。
それから2週間は家族のみんなに「これを聴かなくちゃダメよ」って言って回りましたよ。そしてDimashを愛する人たちを探し回りましたね。
先ず、インターネット。そして私の住む町。
EFCのAlmaty(アルマティ)・Dimashファンチャットに入りました。
そうやってDimashの音楽の世界にはまり込んでいったんです。
(ナレーション)
EFCとはEurasian Fan Club(ユーラシアンファンクラブ)の略称である。
数千ものインターネットのフォロワー数があり、同じだけの数の人々が自分たちのアイドルのリアルライフを垣間見ようと何時間も待っているのだ。
Dears1:個人的に最初にDimashのコンサートを観たのはGAKKU DAUSY(2017年)でした。
午後5時からのコンサートに午後3時に会場入りして、Dimashのパフォーマンスを待ちました。そして10時まで待って待って…そして彼がステージに現れました。
あれはすごかった…信じられないくらい…忘れられない…
Dimashは5曲歌ったんですけど、まるで5秒に感じるくらい短く感じました。
Dears2:私の話は普通の話ではないんです。
あれは(トークショーの司会で有名な)Andrei Malakhovが私をDimashに引き合わてくれたんです。
(2019年)12月5日にクレムリンパレスで行われたVictoria Music Awards(ビクトリアミュージック賞)でのことでした。
私はただ音楽を聴きに地元のコンサートを観に行ったんですけど、Dimashのファンが「彼の名前入りの電光バナーを持ってくれ」と言ってきたので、それを持って座っていただけなんですけど、Malakhovさんが突然この可愛いバナーを持った観衆のところへやって来て、私に「Dimashと一緒に写真を撮らせてあげる」と言ってきたんです!
それで私は6,000人の前で…あの…Dimashとハグしたんですよ!
みんなヤキモチを焼いていましたよね。
Igor Krutoy氏の妹さんが、保安の方やスタッフとDimashと一緒のビデオを作ってくれたんです。あの後、ファンクラブの女の子達とはお友達になったんですよ。
Dears3(Madina Baishoinova):最初の思い出は、空港で彼に話しかけ、彼が私達と一緒に写真を撮るのを断ったというものなんです。私達はがっかりしましたが、Dearsは彼を愛していて気持ちを尊重しますから、我慢しました。それで、自分たちだけで写真を撮ることにして、集まって立ってました。
すると、最後の最後にDimashが後ろにそうっと来て、結果として私たちと一緒に写真を撮ってくれたんですよ!
Dears4:彼自身が話した子供の頃の話を覚えています。
彼が小さかった頃、友達と近所を走り回っていて、玄関のベルを鳴らして逃げるんだけど、Dimashだけ逃げずにご近所さんにつかまって謝った、という話ですが、これはDimashが小さい頃から何がいけないことで何が正しいことかを分かっていたということ。
彼が「悪い影響を受けないように自分を守っていた」ということだと思います。
これはファン一人一人がキチンとしていて親切だということにも影響しています。
(ナレーション)
Nurzhamal Moldazhanは普通と違ったストーリーを持つDearだ。
彼女は2人の娘を亡くしている。
そして25年もの間人生のゴールが見えなかった。
彼女は起業するかチャリティーをするかで迷っていた。
そして【Daididau】を聴いた時、決心した。利益の90%は必要な人に寄付し、コストを賄うための10%だけを自分に残そうと決めたのだ。
Dears5(Nurzhamal):私はDimashの歌を聴いてよく泣きます。
起業することへの怖さを忘れさせてくれるんです。
家賃やお給料、あらゆるコストを払えるかという不安がたくさんあります。
そんな時Dimashの歌を聴くと全ての不安が消えるんです。
元気が出てまた仕事に戻れるんです。この4年間で200万テンゲ分の製品で子供達に協力することができています。
(ナレーション)
NurzhamalはDimashの歌からカザフ語を学んでいる。
Dimashを知るまでは自分の国の言語がどんなに豊かで力強いかを認識していなかったと言う。(カザフスタン人でもロシア語しか話せない人もたくさんいる)
今では彼女はカザフ語を流ちょうに話すことができるようになり、さらにはカザフ語で考えることもできるのだ。
Nurzhamal:この【Daididau】の深く血を流すような傷のフレーズをいつも歌っています。彼の歌詞をもっと深く理解したいのでカザフ語をもっとキチンとやり始めました。
彼の歌の徳(内容)は私にとても深い印象を与えます。
Dimashはいつも私達の伝統や彼のパフォーマンスの根底にあるものについて語ります。
彼は私達の哲学を海外の人達にも伝えることが出来ると信じています。
つまり数世紀の歴史のあるカザフの知恵で世界の文化に貢献し、それを更に豊富にすることができるのです。
Nina:(詩の朗読)
(ナレーション)
Nina Bugaichenkoのストーリーは、ウクライナファンクラブのリーダーであるEvgenia Barsegyanのものと似ている。