・本記事は、2020年11月14日にMUZ-TV(ロシアのナショナルミュージックチャンネル)で放送されたDimashのインタビュー番組「BORN TO SING」の、続き(後編)日本語書き起こしです。
・ホスト役のArman Davletyarov氏はMUZ-TVの元CEOです。
・ずいぶん間が空きましたが、約1年3か月後の先日、2022年2月7日に続編が氏のYouTubeチャンネルにアップされました。それが今回の書き起こしです。
・インタビュー自体は約2年前、2020年の2月に収録されました。
・約18分のインタビュー動画は本記事の末尾にあります。
・当記事の前編となる過去のインタビュー書き起こしはこちら↓です。
【パート1】2020年11月
dimashjapanfanclubofficial.hatenablog.com
【パート2】2020年11月
dimashjapanfanclubofficial.hatenablog.com
◆◆◆
【以下日本語書き起こし】
ナレーション:ワールドクラスのスター、Dimash Qudaibergen。
彼はロシア、カザフスタン、ヨーロッパ、アメリカ、そして中国で認められている。
モデルのようなその容姿、漲るエネルギー、そして勿論そのユニークでずば抜けた声…。
それは “天から授けられた声“ というより他に言いようがないほどだ。
その絶大な人気の下でもDimashは"スター病"にかかることもない。
ナレーション:このミュージシャンは驚くほど謙虚で誇れる人物だ。
彼はインタビューを受けることを好まず、それを承知することは稀だが、今回はArman Davletyarovのために例外を作ってくれた。
ナレーション:Dimashはすでに"彼の私生活や歳を取った後の自分像"について語ってくれたが、今回も彼の人生について引き続きシェアしてくれる。
D:…いろいろな方から「Dimashはお酒を飲むの?」って聞かれるんです。
ナレーション:プレッシャーを和らげる方法は?
D:僕達カザフスタン人は、自分にプレッシャーはかけないんです。
ナレーション:"ロシアの芸能界"については彼はどう思っているのだろうか?
そして"有名になったがために諦めざるを得なかったこと"はあったのか?
D:僕がやってきたこと、これからやること全てはより良くなるためなのです。
◆◆◆
Arman:みなさん、Dimash Qudaibergenです。
D:こんにちは。
A:よろしく。
=インタビュー=
A:君は普段はとても閉ざしている(私生活を見せない)アーティストだよね。
君はその曲/芸術の他には(私生活は)あまり知られていないね。
今日は、この家庭的でフレンドリーな雰囲気の中で、君と色々話したいと思っているんだよ。
■家族について
D:僕達カザフ人には"初めての子供を年長者に還す"という古くからの習慣があります。
ですから、僕は祖父母に育てられました。
家族は全員同居しているのですが、僕は祖父母のことを “お父さん”、“お母さん” と呼んでいます。
その為、両親のことは “aga(年上の男性への尊称)”、“apa(年上の女性への尊称)” と呼んでいるんです。
僕にとって家族は"全て"です。
僕がどこでパフォーマンスをしていても、どんな賞を受賞しても、最初に母の心からのスマイルを見つけます。
それが僕には"最高の賞"なんです。
A:彼らは君のことが自慢かな?
D:はい(自慢気な微笑)
D:彼らは僕の自慢の家族ですし、彼らも僕を誇りに思ってくれています。
彼らはティータイムの時にでも、いまだに僕に教示をくれるんです。(笑)
僕の祖父は「それではダメだ。言動/行動に気をつけなさい。いつも謙虚でありなさい」と諭します。
彼は毎日、飽きもせずそれを僕に繰り返すんです。(笑)
A:(何が)「それではダメだ」って(お爺様はおっしゃるの)?
D:高慢だったり傲慢だったり…良い人間ではないこと(がダメ)。
D:僕の両親・父・祖父は、僕の憧れの人物なんです。
彼らはその経験から"価値ある人間がとるべき言動/行動"というものを示してくれるんです。
僕の父が誰かに声を荒げたところなど、一度も見たことがありません。
母が他の人と口論をしているところも、僕は見たことがありません。
D:どんな人でも誤解をすることは当然あるものですよね。
ですが、彼らは決して一線を越えることはありません。
父と両親(祖父母)が常に僕を導いてくれていることに、ずっと感謝しています。
彼らが僕を支えてくれているんです。
全てが上手くいっています。
A:そうだね、彼らは尊敬されるべき方々だね。
君とご両親の関係は私たち"東方の、カザフ流の子育てだ"と理解できるよ。
君のご両親が、年長者、君の祖父母を尊敬することを君に教えてきたんだね。
そういう君のご両親の姿勢が君の成功の鍵の一つに影響している、と私は思っているよ。
■カザフスタンについて
ナレーション:キャリアを開始した若きDimashは、感動を呼ぶ優しい王子様であり、若いファン達がアイドルと呼ぶにふさわしい。
彼の巨大なファンダムはカザフスタンやロシアのみならず、世界中に広がっている。
A:君のファンはどの国が一番多いのかな?
ロシア?カザフスタン?
D:カザフスタンです。
<歌手2017> からですね。
A:(氏自身も)カザフスタン人として、よく(人から)聞かされるのは
“カザフスタン人は冷たい” と。
そう取られるのは、私達カザフスタン人が"感情を表にあまり出さない"からだと思うんだ。
君もそうだよね、今こうやって話していても、君は基本的に真面目だよね。
これって、国民性なのかな?
それとも、カザフスタンの家族制度(年長者がいる前での礼儀など)の影響なのかな?
D:正直僕もよくは分かりませんが、カザフスタン人たち自身はそんな風には思っていないんじゃないでしょうか。
僕らの国の人達も楽しむことを知っていますし、冗談だって言いますし、自分を表現しますし。
ラフにふるまうのはちょっと"カザフスタン人の特徴"ではありませんね。
僕たちは"違ったメンタリティー"を持っているんですね。
そのことが間違っているとは僕は思いません。
どの国もそれぞれに特徴があるのが当然だと思います。
"僕らはそれでいい"と思っています。
D:いろいろな方から「(お酒を)飲みますか?」と聞かれるんですけど、僕は「いえ、飲みません」と答えるんですよ。
「じゃ、どうやってリラックスするの?」って聞かれたら
「僕らカザフの人間は、ナーバスにはなりませんから」って答えるんです。
そんな感じですよ(笑)
■タレントショーについて
ナレーション:Dimashの国際的な人気は中国から始まった。
2017年に彼は人気番組(歌手2017)に出演した。
D:Slavic Bazaarの1年前に、この番組から出演オファーを頂きました。
でもその時は"まだ若すぎる(未熟だ)"と言う理由でお断りしたんです。
今でもまだその条件(年齢、実績)には達していないのですが(笑)当時は尚更そう思ったんです。
翌年に出演を延期したのは、正しい判断だったと思っています。
ナレーション:Dimashは決勝まで進んだが、優勝は逃し、準優勝になった。
その2年後、彼は別のコンペティションに参加することを決めた。
アメリカの番組 <The World's Best> だ。
多くのファンたちは彼の優勝を確信していたのだが、Dimashは準決勝で"この番組を降板する"と発表した。
彼は"(対戦予定相手の)若い子達へもっとチャンスを与えたい"という思いを告げた。
A:中国に話題を戻そう。
ロシアのスターのPolina Gagarinaも(あの番組に)出演したよね。
※ <歌手2019> に出演、決勝の8名に残った。
他の歌手もいたね。
A:彼らは “あのコンペティションは、緊張感が半端なく、体力的にも精神的にもすごく厳しい” って口々に言っていたよ。
君はそのすべてを経験して決勝まで行ったけれど、君にとってあの番組(歌手2017)は、どれくらい大変なものだったのかな?
D:僕にとって、それはそれは大変なものでした。
なにしろ当時の僕にはあまり(歌の)レパートリーがありませんでしたし。
勿論それまでにもカザフスタン国内でのコンサートはやっていましたけれど…国外でも一度。
でも僕には(実績がないから) “椅子にドッカリ座って10年貯めこんだ熟練の曲の中から選ぶ” なんてことはできません。(笑)
D:コンペティションで歌うには十分な準備と良い選曲が必要なんですが、この番組では、それがちょっと難しい状況でした。
毎週、"僕にとっては新しい曲"を学び、それをプロデュースして、曲の構成をしてアレンジしなくちゃいけないんです。
それに"そのパフォーマンスが観衆の好みに合うのか"というのも推測しなければなりませんでした。
A:君がそういう困難に打ち勝つのに、何が役に立ったのかな?
D:勿論、優勝したいとは思っていましたが、準優勝でも勝利だと思うのです。
ほんの数パーセントの差でしたし。
"既に名と実績のあるアーティストが優勝した"と言うことです。
(優勝者の)Sandy Lam(林忆莲)さんは、中国ではビッグスターですから。
A:(優勝を逃して)ガッカリした?
D:いえ、いえ。
A:準優勝でも君には勝利なんだね。
D:勿論です。
1位、2位、3位(という順位)は重要ではありません。
大事なのは"僕がそこから何を得たか"なんです。
この番組の後に大きなコンサートを始められることになりましたし、多くの人達が僕を知って下さいました。
これこそが、僕にとっての勝利なんです。
A:中国の共演者達は、君をどう受け止めてくれたのかな?
ライバル視してた? それとも友好的だった?
彼らは君をサポートしてくれた?
君のコンサートに来てくれた?
それとも君の足を引っ張ったりした?
全然、気にも留めなかったとか?
D:いいえ!
実際のところ、中国の人気アーティストの方々で、場違いな事をしたり高飛車だったり、こんな(ジェスチャー)ふうに王冠を被ってるような感じの人は、僕は見たことがありませんでした。
みなさんとてもシンプルで、優しくして下さいました。
A:ロシアではどう?
D:ロシアも、とても…
とてもシンプルなアーティストが多いです。(笑)
A:(ロシア)"も"…なんだね?(笑)
D:中国の話をしていたから…(笑)
D:ロシアは…僕はロシア語が分かるから…。でも中国では、僕は中国語が分からないですしね。
アーティストの皆さんは、それぞれとてもシンプルな方達だと思いますよ。
ロシアは…
95%くらいのロシアのアーティストの皆さんはシンプルで友好的だと思いますよ(笑)
見知ってはいるけれど、それほど親しくなかったりする人も中にはいますし。
A:君は、一緒にいる人のこと、
"君を喜ばせる人間か、
それとも君から何かを得ようとする(利用しようとする)人間か、
正直な人物かどうか"
見分けられる?
D:見分けられます。
A:そういう時、君は相手にどういう態度を取るの?
D:リアクションですか?
僕からは何もリアクションはしません。
カザフの諺に(カザフ語で)「挨拶してくれる人には挨拶を返す」というのがありますから。
A:(ロシア語に)訳しましょう。「・・・」
D:そういうことです。
そして僕は"それ"を基本にしていて、どんな人とも良い関係を築くように努力しています。
■人気について
A:Presnyakov(ロシアのアーティスト)と話していた時、彼が「初めてOlimpisky(オリンピックスタジアム)でパフォーマンスをした時、俺の頭にはでっかい王冠が載せられたんだ。Agutin(ロシアのアーティスト)に “俺のケツを蹴ってみろ” って…そしたら王冠が俺の頭から落っこちたんだ」と言っていたのを僕は覚えているんだけど、君には人生の中でそんな(人気に翻弄されるような)事はなかった?
D:Omar Khayyam(ウマル・ハイヤーム/1048-1131)がおっしゃっているのですが
「幸運な人や裕福な人を羨んではいけない。夜が明けが来れば日没も必ずやって来る」
ということです。
D:"起こっている全てのことが、アーティストにとっては一時的なものである"というのを分かっていなければなりません。
今ここで言えるのは"有難いことに僕にはやるべきコンサート、パフォーマンスがある"ということです。
これは本当にありがたいことなのです。
それを僕は大切にしなければなりません。
"人生において僕たちが受けていることは全て試験だ"ということを理解しておかなければならないのです。
D:人生においては、金銭やキャリアなどは全く価値はないのです。
"キャリアを積んでいく上でそれが順調にいっている"というのは、大きなボーナスのようなものです。
アラーが、僕たちを試していらっしゃるんです。
誰かに全てをお与えになり、他の誰かには何もお与えにならない。
A:今の人気は、君にとっては"試験"なの?
D:その通りです。
A:何かを諦めなければいけないのかな?
D:なにも。
"これはテストだ"という事だけです。
全てを与えられた人間はアラーに感謝するのか?
何も与えられなかった人間はアラーを憎むのか?
全てが単純です。
D:僕らは"ただ今を生きる"だけなんです。
そして"明日は新しい日だ"ということを忘れずにいる。
"明日になればステージを降りて観客と一緒に座っていることになるかもしれない"ということ。
クリエイティブな路を通るということは、いつか観客と一緒に(客席に)座ることになった時、その時に「お前はつまらないアーティストだったよ。自分がどれだけ傲慢な態度を取っていたか覚えているか?」と誰からも言われないように。
それを目指すべきなのです。
A:君はそんな風な(傲慢な)態度は取らないの?
D:少なくとも、そう努力しています。
勿論、僕も人間ですから…単純な普通の人間ですから、怒ることも傷つくこともありますし、過ちを犯すことだってあります。
でも、どのアーティストも"守らなければならない倫理"がありますから。
D:誰かに「Dimash、今日はこの衣装でパフォーマンスをして」とか「この曲を歌って」とか「この番組に出演しなさい」などと命令されたら困ってしまいます。
何も主張しないでいるのは簡単ですが、僕達には"(言うべきことは)きちんと言う"という倫理的な基準があるんです。
カザフ人はそういった考え方を持っていますから。
"出演しない"と決めている番組もいくつかあります。
それはヨーロッパや他の国には違ったエンターテインメントの番組があって、面白いけれどちょっと卑猥なものや言葉遣いが荒いものなどいろいろ。
僕はそういう番組には出演しません。
これは僕個人の考え方ですから…それを"変わっている"と思う人もいるかもれないですけどね。
A:それはいいことだね。興味深い。
君は"君を崇拝する数百万人のファン"を抱えるアーティストだ。
君の性格に関してこんなに話してくれて、どれも初めて聞く話だったよ。
普段、君のスキャンダルなどは目にしたことはないけれど、君が今日話してくれた内容は私にとっては身近に感じられるし、非常に大切な事だよ。
D:アーティストというのはまず第一に、若い世代にとっての模範になるべきだと思うんです。
もしその人が口汚いことを故意に言ったり、不意にでも言ったりしたら…
A:それが回りまわって友達の間で広がる…
D:そうです。
ですから僕は少し違った態度をとるんです。
例えば、小さな子供達があなたのファンで、あなたが悪い言葉を使ったり何か悪いことをやったりしたら、(それを見習った)その小さな子達は、将来どんな人間になってしまうでしょう?
■信仰について
A:神を信じる?
D:はい。
でもnamaz/ナマーズ(イスラム教の祈祷)は読みません。
たまにモスクに行ったりコーランを読んだりしています。
A:お祈りの仕方は知ってる?
D:いいえ、それほど詳しくはありませんが、コーランは読みます。
A:祈祷はするの?
D:はい、祖母が20年ほどナマーズを読んでいて祈祷を欠かさず続けています。
脚が悪いのにいつも祈りを捧げていて、ナマーズを読んで正しいやり方を確認しています。
■将来について
ナレーション:昨今のDimashは、超人気人物だ。
これは誇張でも何でもなく、彼は世界クラスのスターであるが、まだ30歳にもなっていない。
D:勿論、あと数年ほどはステージに立っていたいです。
それは"とても難しい事だ"と分かっていますけれど。
数十年も活躍していらっしゃるアーティストの皆さん全てを尊敬しています。
なぜならそれは、"本当に、本当に難しい"のですから。
ナレーション:Dimashは様々なジャンルに挑戦しようとしている。
クラッシックからロックまで…容易に違ったイメージで歌える。
このアーティストはロマンティックにもなれるし、恰好をつけたり、ミステリアスにもなれる。
彼の新しいビデオ(註:当時)"Golden"で表現しているように。
これはただのミュージックビデオではない。
アクション・カーチェイス・撃ち合い・ファイトありで"悪と戦い勝利する"という全くのファンタジー映画だ。
■一問一答
A:君の人生の中で何か後悔したことはある?
D:"後悔したことはない"と言えますね。
幸運なことに、全て上手くいっています。
A:君の人生で何か変えたいことはある?
D:人生で変えたいことですか?
ありません。
僕の人生は(ありがたいことに)全てが幸運です。
A:今日はありがとう。
"新しい新鮮な君"を引き出すことができたと思うよ。
心底温かくて、オープンで、優しくて、
一番大切なこと…
"光をもたらしてくれる君"をね。
D:ありがとうございました。
A:これからの幸運、成功を祈ってるよ。
芸術的にも成功することを!
これからも私達の祖国カザフスタンを輝かせて、世界中に知らしめて欲しい。
安全(健康)で!
では。
D:ありがとうございます。
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2022年2月7日アップ
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