◆本記事は、6月8日にQazaqstan TVで放送されたトーク番組【1001 ТҮН(千夜一夜物語)】での、ディマシュのご両親出演/インタビュー部分の日本語書き起こしです。
◆公式動画は書き起こしの末尾にあります。
以下 日本語書き起こし
【1001 ТҮН(千夜一夜物語)第31回】
ご両親のインタビュー
48:03
Dimash Qudaibergenのご両親、KanatさんとSvetaさんご夫妻をお招きしましょう。
どうぞ!
👨:スタジオへようこそ。
本日はインフォメーションや質問がたくさん用意されているようです。
Kanat:どのようなご質問があるのかわかりませんが、できるだけお答えしたいと思います。
👨:では、最初の質問を致しますね。
(Dimashの)ヨーロッパツアーが終了しましたが、カザフ語の曲が海外で歌われたのを見て、これほどの幸福・誇りを感じたことはありませんでした。
勿論私達はビデオで見ていたのですが、舞台裏での興味深いことなどはありませんか?
👩:まずは、そのビデオを観てみましょう。
👨:そうですね。拝見しましょう。
(コンサートビデオ)
👩:ドイツの人々がカザフ語で歌っていますね。
K:はい、ありがとうございます。
ヨーロッパの国々でのコンサートは成功しました。
パンデミック後の最初のコンサートでもありました。
K:ここで言わせていただきたいと思います。
このコンサートには様々な国からたくさんの方々が来て下さり、応援し、一つになりました。
このビデオではどのくらいの方々がいらっしゃったのかは覚えておりませんが、40~60の国々から来ていただいていました。
2019年のアスタナコンサートのEチケットの売り上げから見ると、64か国 13,522名が、海外からDimashのArnauコンサートに赴いてくださったことが分かっています。
K:この場をお借りして、Dimashの全てのファンの皆様の彼への愛とカザフの芸術・カザフ人の子(Dimash)の歌へのサポート…"Dimashと共に歌って下さったこと"に感謝していることをお伝えしたいと思います。
Dimashのファン全ての皆様が温かく一つの大きな家族のように結ばれているのを、嬉しく思っています。
様々な国で親戚(ファン同士)が出会うということがどれほど嬉しいかわかりますよね。
私達にとってもそれは非常に喜ばしいのです。
彼(Dimash)の曲を共有することで皆さんがコミュニケーションできる、それに感謝しております。
これは我々の幸せでもあります。
私の子Dimashはよく「芸術に国境はないはず。全ての国はお互いに友人であるべき。僕はこの地球上の全ての人間を愛している」と言っています。
私達の国、国民そして言語が人々の手助けになり、私達の言語で人々が歌えるというのは、この上ない幸せです。
👩:Dimashの名字を付ける人がいる(改名する)例もありますよね。
それについてはどう思われますか?
K:そのように希望されることには感謝しております。
👩:その女の子にインタビューをしています。
K:はい、そのインタビューは少しですが拝見しました。
👩:彼女は「Dimashをとても愛していて、いつか会いたい。彼の誕生日にお祝いをした」と言っていました。
この子は本当に彼を愛しているようでしたよ。
Sveta:この子には、ご両親を亡くすというつらい経験がありました。
Kristinaさんには、この名字に替えることで、彼女の人生に何か良い変化をもたらせるように願っています。これが良いスタートであることを。
これは贈る言葉です。
私達の他の子供達も同様ですが、Dimashは祖父の名前(Qudaibergen)を名字として貰いました。
そして、そのことが彼に力と恵を与えましたから。
👨:Kanat氏がおっしゃったように、13,000人の観客が64か国からやって来ましたし、ヨーロッパには数万のファンがいますよね。
アスタナでのArnauコンサートでは、私達もコンサート前の2時間生放送を行いましたが、海外からの人達が(会場の)あちこちにいたことには驚きましたよ。
ですから我々も英語で報道しようとしていましたが、世界中の遠方のいろいろな国の言葉がありすぎましてね。
メディアのデータを見ればすぐにわかることですが、(多くの国にファンがいること)これについてはどう思われますか?
S:みなさんご尽力して下さった結果だと思います。
統計ということだけではなく、親としても嬉しいことです。
それは、Dimashの額から流れる汗の結晶なのですから。
👩:あなたも嬉しいのですよね。
(感激して)泣かれたことなどはありますか?
S:たまに。そういうこともありますね(笑)
K:Svetaも言いましたが、Dimashだけでなく、これは彼のファンにとっても大切なことです。
"一人の声は歩く時に巻き起こるほんの僅かな埃のようだ” という諺があるように、Dimashの曲・クリエイティブなものを大事にして下さる方々こそが、彼の人気を広めて下さっているのです。
ですから私達はその方々に心から感謝しています。
彼らはDimashを愛して彼の曲を聴いてくださる上に、彼らの(ファン)グループ以外の人々へ"Dimashのことを知って愛して貰えるように"尽力して下さっているからです。
このような方々はDimashのことが大好きなファンです。
K:再度お礼を申し上げます。
どの国の方々も私達が訪れると温かく歓迎して下さり、私達の為にご尽力してくださいます。
心より感謝致します。
いろいろな状況があっての事ではあるのですが、時間が足りずに皆様に十分なことをして差し上げられない場合もあり、皆様が気を悪くなさることがあったかもしれないと心配する時もあります。
気持ちはあっても、皆様お一人お一人の方を向いてご挨拶をすることは無理なものですから。
でも、皆様のことはとても愛しておりますよ。
👩:Dimashの新曲 “Okay” のビデオがリリースされていますので、ここで観てみましょう。
この曲はリリースから10日で、アメリカビルボード ホットトレンディングソングのチャートのトップ10にランクインしました。
このビデオでの主役のアレクサンドラさんのSNSは、サブスクライバーが2倍にも跳ね上がりました。
この曲の力がいかに凄いかがわかりますね。
(アレクサンドラさんの)ビデオがあります。
Alexandera:皆さんこんにちは。
お待ちかねのビデオのプレミア公開、おめでとうございます。
素晴らしい感想を送っていただいたみなさんに感謝しています。
そして、素晴らしく魅力的でまた深い人 Dimashの作品を応援して下さって、ありがとうございます。
一番興味深いのは、Dimashがそのユニークな才能の持ち主という事よりも、彼が自分自身を一人の人間として(人格を)保っているところだと思います。
現場であったことなのですが、エキストラの女の子が走っていてひどい転びかたをした時、Dimashはカメラが回っていたのにも関わらず、彼女のところに走って行って手を差し伸べたのですよ。
👨:このMVは1937年が舞台となっています。
この年代はカザフ人にとっても大変な時期でしたよね。
何故この特別な時期を(時代背景に)選ばれたのでしょうか?
K:監督はいくつか(の設定の)台本を用意していました。
その中からDimashが(この台本を)選んだのです。
最終的にこの曲は様々な解釈ができるものとなりました。
このビデオを観ると、その集大成がわかります。
政治的な悲劇があったとしても、この時代のカザフ人にも素晴らしい愛があったのです。
3分間でその全てを表現することは不可能ですが、皆さんが想うことをそれぞれに感情移入して頂ければと思います。
このビデオは
"1937年と言う最も大変だった年を生き抜いてきた全ての人々の想い"を集めたものなのです。
👩:先ほどの女優さんの話を補填しますが、Dimashは本当に大きな心を持っていますし、シンプルで人間味のある人です。
ステージの上にいるときにでもそれは容易に見てとれますよね。
Dimashはどのように人と接するのでしょうか?
K:Dimashはとても優しい子です。
彼はいつでも人に分け与えようとします。
子供の頃、私達が良い服を買ってあげても、あの子はそれを人にあげてしまうのですよ。
「あれ?お前の(新しい)服はどうしたんだ?盗られたのか?」と聞くと彼は「違うよ、あの子にあげたんだよ」と答えるのです。
「なぜ?」と聞くと「あの子にはお父さんがいなくて服が買えないから」と言うのです。
息子は小さい頃からそんな風でした。
今でも、この優しい心は同じです。
彼はいつでも家族や友人をサポートしようとしています。
👨:ということは、彼は今でも尚そのような資質を保っているということですね。
次にお聞きしたいのは、
私もよくYouTubeで “Dimash Qudaibergen、リアクション” と入力して検索する人間の一人なのですが、近隣諸国の多くの人達が我々のこのカザフ人の才能に憧れていることがわかりますよね。
コロンビアの歌手ですらリアクションをしていますよ。
みなさん同じことを言っている…"いったい彼は一日何時間練習しているのか?"…と。
それについて教えてください。
(リアクションビデオの中で)プロの歌手が、ピアノの鍵盤で(ディマシュが出したのが)どの音(高音)なのかを驚きながら確認していますが、これこそ彼らが知りたいことなのですよね。
S:Dimashはいろいろなことを考えた上で、努力し、準備をします。
今では彼は歌手としてひとつの形を作っています。または形作られています。
これは一生続くものなのです。主には"基礎"ですが。
発声器官というものがあって、これは常にトレーニングが欠かせません。
アーティストもスポーツ選手と同様にトレーニングをしているのです。
楽器を演奏する者はその指を鍛えますし、歌手は声を磨きます。
ですからDimashもそれを怠らないのです。
👨:それにどのくらいの時間を費やしているか教えていただけますか?
K:それは場合によりますね。
私達の母が彼を5歳から子供教室に連れて行ったことから始まり、音楽学校で7年間、音大で4年間勉強しました。
音大で4年、修士号過程を2年、そして今は博士号過程を取っています。
その間も、ずっとボイストレーニングをして下さっているアクトベのMarat Aitimov先生やMyra Dauletbakovaさん、Ayman Kozhabekovnaさん他多数のコーチの皆様とDimashは連絡を取り、相談し、話し合いながら、ご教授・アドバイスを頂いております。
それに加えて彼自身も家で練習をしております。
コンサート前は3~4時間ほど練習していますね。
👩:Dimashは寝られているんでしょうか?
K:勿論、大丈夫です。
Svetaが申しましたように、声帯を訓練していないとその筋肉は衰えてしまいます。
これはDimashだけの問題ではなく、オペラ界やポップス界全ての偉大な歌手にも言えることで、彼らですら仰向けや座ったままでボイストレーニングをしているはずなのです。
👨:そういう状況は歌唱に影響するのですか?
K:勿論です。
Dimashはスポーツをしながらでも歌ったりしています。
というのも(コンサートでは)踊りながら歌うこともありますから、(そういう)訓練をしているのです。
そういう状況は当然どの歌手にも影響するものです。
👩:Svetaさんにお聞きしますが、大きな舞台で、Dimashの緊張が分かる事がありますか?
S:はい、思うことはあります。
普段は私は会場の後ろのエリアで観ているのですが、ドバイのコンサートの時は前席にいました。
ステージから近い所に座っていると、Dimashの激しい緊張が見て取れました。
そして彼自身にもそれ(緊張の自覚)が見えました。
S:結局、もう見ていられなくなり、彼の額の汗を拭きに行ってしまい、SNSで注目されてしまいました(笑)
(コンサートの主催者に)"今後、私を最前列に座らせないで"と申し上げることに致します。
子供が緊張している時に親である私までが心配そうにしていたら、それを見た彼もまた心配してしまいますでしょ?
👨:次の質問です。
我々はよくあなた方を “Dimashのご両親” として話題にしますが、あなた方もまた芸術的な高みに上った方々として、今ここにいらしています。
ある海外の番組で、Dimashのご両親に会いたがったり、あなた方の声を聴きたいと有名な歌手たちが非常に驚いて話してもいましたね。
Kanatさん、現在のカザフ芸術にご不満、また満足していることはありますか?
K:私達は独自の芸術を繫栄させる為の方向性をこの30年間持ってきました。
国立交響楽団や、素晴らしい楽団、舞台俳優や若い才能ある人たちが国際的に活躍してきました。
フィルハーモニックホールや劇場では、彼ら独自の基準で慎重に選んだ良いものをステージで上演しています。
このような質の良い作品をもっと頻繁に見に行っていただきたい。
言論の自由、思想の自由、起業精神の自由というコンセプトがありますので、どんな人でも舞台で表現する権利はあります。
ここで、その正しい方向性について細かく話す必要があるようです。
建築物を建設するには行政でその安全性を厳しく管理していますよね。
それと同じように “公共の意識(公序良俗)” というものがあります。
ではこの “公共の意識” というものの安全を守るのは誰なのか、という課題が出てきます。
誰でもがステージに上がることができるとして、
では、彼らは何を歌うのか?
どんな有益なメッセージを伝えることができるのか?
それを見て若者たちは何を学ぶのか?
そのような観点から見ますと、それを管理する権限が誰かに与えられることも必要だと思うのです。
例えば地域の管理者が許認可の書類を用意します。
"何をやるのか、何に関して語るのか"ということを、手順を踏んでいくものです。
数百人の人々が集まり論争となってしまうような代物を(ステージで)公演するのか、教育的なものにするかなどを、誰かが責任を持って管理すべきです。
会場を貸すということは、すなわちその公演を許可するということでもありますしね。
言論や思想の自由を奪う、という事ではなく"どこかの団体が(ある興行の)全ての事に責任を持つ"ということ。
私達の国にはそれが欠けていると思います。
K:この国にはたくさんの才能ある人々がいます。Samal Islyamovaさんなど。
彼女がカンヌ映画祭で、旧ソ連国として最高の賞を受賞した時にはどれほど嬉しかったことでしょう。
Imanbekさんも、私達の国のもう一人の才能ある人です。
素晴らしい瞬間を味わいましたよね。
カザフスタン出身者が海外でその才能を見せてくれるのを見るのは嬉しいものです。
私達は彼らを模範にします。
偉大なるAbaiはこう言いました。
“あなたの周りに友人がいないということは、あなたのやってきたことが無駄だったということだ” と。
(そういう事にならないように)私達がお互いに助け合い、尊敬し合えば、私達は益々繁栄することでしょう。
若い世代の人々もとても将来性があります。
👩:Kanatさんは若い世代を褒めていらっしゃいます。ここには多くの若者がいますよね。
最近はDimashについて評価をする人が大勢出てきています。
あなた自身は他のお子さんのステージでのパフォーマンスを評価(批判)することはありましたか?
K:社会的にはDimashは"公人"ですから、人々の意見が様々あるのは当然です。
ステージに立つことを選んだ人間は、様々な意見に向き合うことを予期し覚悟しておくべきなのです。
私達はそれを必要なものと捉えますし、不要と思われるものは排除しますが、敵視するべきではありません。
👩:今までによそのお子さん、同僚のお子さんを評価したことはありますか?
S:芸術に関わらず、どんな子でも、サポートをしてあげるべきです。
カザフの諺に「子供が目的を持ったら、邪魔をせず応援することだ」とあります。
ですから、評価(批判)はあると思いますが、それは適切なものでなければなりません。
最も大切なのは、それが正しいものということです。"正当なもの"と言う意味です。
子供の肩をちょっとだけ叩いてあげて、その翼を広げさせ、育てる。
そうすることでのみ得るものがあるのです。
K:カザフには「女の子は40、男の子は30、禁止事項がある」と言う諺もありますね。
これは"社会全体で子供を育てる"ということ。
"禁止事項の数"が問題なのではなく、皆が全体で子供を育てるという意味を持っているのです。
現代では、ごみを投げるような悪いことをした(よその)子を叱ることができにくくなっていますね。親がどんな反応をするかが分からないからです。
その子の親は、その子を叱った人に感謝すべきなのですが。
(本来は)全ての人、社会が子供を育てていくべきなのです。
👨:最近はステージ上で起こった様々なこと*1についてお話されてきましたね。
表現にあまり気を使わない人達のことなど。
見ている人達のほうにも教養が必要だと思われますか?
S:見ている人達のほうにも教養は必要だと思います。
国家レベルのコンサートの組織団体もあります。
もっと専門的にプロモーションや集客を行う必要がありますね。
そして適切な音楽や方向性を示す必要性があると思います。
路線に対するものも大切です。これはバスの路線などではなくて"文化方面のコンセプト"ということです。
仕事を始めたばかりの若いアーティストみなさんにとってのもの(指針)です。
これは省庁レベルで考えるべき問題だと思います。
👩:申し訳ありません。
(生放送なので)そろそろ時間が来てしまいました。
ここからはサッカーの中継がありますので、番組を終了しなければなりません。
👨:お話ができて光栄でした。
では、また明日!
↓ 公式動画 約1時間9分41秒
ご両親登場は48分過ぎ
クリック(タップ)で直接48分過ぎに飛びます。
★★★
5月30日にリリースされたディマシュのYouTubeチャンネルの"Okay"が、100万回視聴回数を達成しています。
おめでとうございます。
"Okay"
↓ディマシュ公式YouTubeチャンネル
作曲:Igor Krutoy
作詞: Igor Nikolaev
脚本監督:Alina Veripia
※当クラブ提供による日本語字幕付き
引き続きよろしくお願いいたします。
★★★
2021年11月28日
TOKYO JAZZ 20thにオンライン出演したディマシュの、
日本語"行かないで"のパフォーマンスを是非ご視聴ください。
↓
★★★
↓ ディマシュの歌をSpotify公式で聴いてみよう!
★★★
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*1:このインタビューの少し前に、あるカザフのラッパーのコンサート内容が公序良俗に著しく反したとしてカザフ国内で大きな問題・論争になっていた